はじめに
今回考察するフェッチランドは、
『オンスロート』初出の友好色フェッチランドサイクル5枚
- 《溢れかえる岸辺》(平地/島)
- 《汚染された三角州》(島/沼)
- 《血染めのぬかるみ》(沼/山)
- 《樹木茂る山麓》(山/森)
- 《吹きさらしの荒野》(森/平地)
『ゼンディカー』初出の対抗色フェッチランドサイクル5枚
- 《湿地の干潟》(平地/沼)
- 《沸騰する小湖》(島/山)
- 《新緑の地下墓地》(沼/森)
- 《乾燥台地》(山/平地)
- 《霧深い雨林》(森/島)
の狭義の10枚となります。
統率者戦におけるフェッチランド
現行スタンダードに無いし、パイオニアで禁止カードだから使い勝手がわからないんだけど、フェッチランドって強いの?
2色ランドは他にも多いし、構築済み統率者デッキにはフェッチランドが収録されないから、メリット・デメリットがわかりにくいかもな。
今回は、統率者戦を始めたいと思っているスタンダードプレイヤーを対象に、フェッチランドのメリット・デメリットを考察してみよう
フェッチランドのメリット
マナ基盤の安定
ん?
例えば、2色デッキなら2色土地を、3色デッキなら3色土地を入れれば、フェッチランド入れなくてもマナ基盤安定するんじゃないの?
2色土地はデュアルランドからお休みランドまでピンキリ。
3色土地はそもそも種類が少ない。
初手にある土地のクオリティが安定しないだろう
一方、フェッチランドはルール・テキストにマナ・シンボルを含まないため、固有色問わず採用できる。
つまり、ハイランダー構築の統率者戦でさえ、片方の土地タイプさえ固有色に合っていれば複数枚採用しうる。
例えば、アゾリウス(白青)カラーで《Tundra》《神聖なる泉》を採用している場合。
《溢れかえる岸辺》だけでなく、《汚染された三角州》《湿地の干潟》《沸騰する小湖》《乾燥台地》《霧深い雨林》の計6枚を採用して、《Tundra》《神聖なる泉》をサーチできる。
《Tundra》《神聖なる泉》が8枚あるようなものなので、初手でアクセスできる可能性が飛躍的に高まるぞ
序盤の土地のクオリティが格段に安定するんだね。
でも、この場合フェッチランド3枚目以降は腐らないの?
《平地》《島》も複数枚入れておけば、3枚目以降も腐らないぞ
3色以上のデッキに対しては、トライオームの登場も大きい。
《世界のるつぼ》で再利用可
デッキ圧縮効果がある!…と言いたいところだが、フェッチランド1枚でできるデッキ圧縮は微々たるもの。
100枚構築の統率者デッキならなおさらだが、《世界のるつぼ》があれば話は別!
毎ターンのランドプレイが確約されるため、デッキ圧縮&マナ基盤の更なる安定が期待できる
《世界のるつぼ》亜種は沢山あるよ。
どれも同じ?
直近のセット『ファイレクシア:完全なる統一』でも《世界の導管》が収録されたが、過去の《世界のるつぼ》亜種すべて緑なのが難点。
緑であれば土地サーチで事足りるので、《アルゴスの庇護者、ティタニア》《ギトラグの怪物》など墓地に土地が落ちることに意味がある統率者以外で、フェッチランドを再利用する必要性は薄い。
土地サーチができない緑以外のデッキにこそ《世界のるつぼ》は必要だ。
これは多色デッキに限らない。
単色デッキでも毎ターン土地をプレイできることは重要なので、《世界のるつぼ》+フェッチランド数枚を採用することはあり得る
固有色問わず採用出来て、《世界のるつぼ》+フェッチランド数枚とデッキ構築を極力歪ませずに済むことが良いんだね
逆に言えば、《世界のるつぼ》が使えない状況でのフェッチランドは弱い。
例えば、《夢の巣のルールス》を相棒指定した《流浪のドルイド、ジェンソン・カルサリオン》デッキでは、相棒条件上《世界のるつぼ》が採用できない。
フェッチランドを再利用出来ないため、緑絡みのフェッチランドやトライオームに偏らせて序盤の色事故を回避せざるを得なかった。
フェッチランドを再利用するだけなら《壌土からの生命》でも良かったんじゃないの?
《血の暴君、シディシ》《黄金牙、タシグル》など墓地テーマの統率者以外で《壌土からの生命》を使うのはあまり得策ではない。
発掘で落としてしまったキーカードを回収しにくいし、《世界のるつぼ》と異なり1緑のコストが序盤展開の足枷になりやすいからだ
ライブラリーをシャッフルできる
《未来予知》《渦まく知識》など、ライブラリートップに不要牌が溜まりやすいカードを多用するデッキにおいて、フェッチランドはライブラリーシャッフルする行為自体が役立つ。
上陸を2回誘発できる
フェッチランドのプレイで1回、サーチした土地のETBで1回、計2回上陸誘発できる。
さらにフェッチランドはインスタントで起動できるので、対戦相手のターン中に上陸誘発することも可能。
土地とは思えないほどシナジーの塊だね。
これだけメリットばかりなら、基本土地タイプが合うフェッチランドは入れ得じゃん
そうとばかりは言い切れない
フェッチランドのデメリット
戦場の土地枚数上限が減る
例えば、35枚土地を採用している5色デッキでフェッチランドを10枚採用してしまうと、実際に戦場に残る土地枚数上限は25枚。
盛大にグダって長期戦になると、土地枚数の差が1ターン当たりの手数の差になるため、不利になりかねない
サーチ先が尽きると弱い
均等5色かつ《世界のるつぼ》でフェッチランドを再利用する場合に起きやすい。
基本でない土地が強いからと、基本土地をほとんど採用しない場合にも起きやすいかな
フェッチランド起動した後に、サーチできる土地が無いと気付く
(ノД`)・゜・。アルアル
テーブルトップだと面倒
MOならともかく、テーブルトップの場合、物理的にめんどくさい。
4積み60枚デッキでも面倒なのに、ハイランダー構築の100枚デッキならなおさら。
サーチとシャッフル、前後のプレイはスムーズに出来るように練習しよう!
さいごに
多色土地に対するハードル
《神聖なる泉》など基本土地タイプを持つ多色土地は、基本土地タイプを持っているというその1点だけで、フェッチランドによる数々のシナジーを得られる。
逆に言えば、基本土地タイプを持たない多色土地は、たとえアンタップインだとしてもシナジーを得にくく、マナ基盤の安定以外の役割を持ちにくい。
《家路》《死者の原野》など強力な無色土地も採用したいし、基本土地も何枚か採用したい…
と思っていると、あっという間に土地枠は埋まり、ますます基本土地タイプを持たない多色土地に対するハードルは高くなる。
- エルドラージ部族カードの◇生成したいから《アダーカー荒原》
- 《エルミンスター》デッキで占術したいから《啓蒙の神殿》
を採用するなど、常にシナジーを考えながら土地を検討したい。
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